
茨木県取手市の中学3年生の中島菜保子さんが、自殺して3年半がたった。中学の同級生にいじめられての自殺だった。当初、取手市の教育委員会は、自殺といじめの因果関係はなかったとしていた。
2019年3月20日に、茨木県の調査委員会は、壮絶ないじめによる自殺であったという報告書を示した。保護者が3年以上の間、訴えてきた内容に沿うものであった。
「ほんとうにうんこだよね」「クソってるね」
菜保子さんの卒業時のアルバムに、加害生徒が書いた言葉だ。一生の思い出になるかもしれないアルバムに、汚い言葉を書かれて、傷つかない児童がいるだろうか。この言葉を目にしただけで、涙が出てきた。
それ以上に、衝撃を受けたのが、担任の教師がいじめを誘発し、菜保子さんの自殺直後は、家庭での虐待に問題をすり替えていた。そして、事故死として処理しようとしたことだ。まだまだ、詳細は明らかになっていないが、もっと驚くような事実が、徐々に明らかになっていくことだろう。
何が原因でいじめられたのか。いじめを受けるような、要因があったのだろうか。胸の痛くなるような事件だが、大人がそれも担任教師が、関与していれば、逃げ道はなかっただろう。
愛知県野田市の小学6年生の自殺でも思ったが、いじめに教師が無関心で、気づかない。または、いじめに関与して、加害児童を援護している。児童の自殺が、増え続ける現代。大人の教育的価値観が、どこかがおかしくなっている。
やはり、教育者の自分の仕事しか考えない防衛心理と、クラス優先主義の教育的価値観が横行しているのだろう。この感覚は、保育にもあてはまり、自分のクラスの子どものみ、保育すればいいという保育観がある。
子どもの自殺は、本当につらい。スクールカウンセラーなどの第3者の存在を、常駐することが重要だと思う。でも、閉鎖的な教育委員会では、なかなか実現不可能であるかもしれない。
子どもの問題は、緊急課題である。法律ができても、それを運用する教職員や教育委員会の、価値観を変えなければ、絵に描いた餅になってしまう。
子どもを指導すると共に、子どもの心に寄りそう取り組みが必要である。
教育者も保育士も、子どもに関わる大人は、カウンセリング能力を養うことが重要であると、痛切に思う。

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