
いわゆる「発達障がい」の子どもとは、どのような特徴の子どもなのだろうか。
アスペルガー症候群、高機能自閉症、ADHD、学習障害、等々。最近は、自閉症スペクトラムとか、広汎性発達障害として、大まかな名称でくくられている。
何故かというと、その特徴が重複していたりして、はっきりとした症状を決めかねるからだ。
おおむね、この症状が浮上してくるのは、小学生時期だ。勉学や学習がスタートし、保育園や幼稚園でははっきりしなかった、子どものパーソナリティーが出現するからだ。
授業についていけないで、教室から出て、校庭で遊んでる子。
毎日のように、友だちとケンカして、放課後児童クラブに来たら、再びケンカをしようとする子。
イライラした何かがあり、気分が落ち着かないと、様々な器具や壁に八つ当たりする子。
それらの子を、発達障がいと規定するなら、そうなのかもしれない。でも、児童精神科や心療内科にかかり、広汎性発達障害と診断されると、薬が処方される。
そして、きちんと薬を飲ますと、1週間もしないで症状が落ち着く。この状況を病気と判断されれば、症状は治まるのである
私は、何度かびっくりした経験がある。薬ってすごいなあ、と。いい意味でも、悪い意味でも。教師や保護者、放課後児童クラブ実践者にとっては、落ち着いてくれれば、子ども間のトラブルが減る。だから、大人は助かる。
でも、3年以上薬を飲み続けている子は「食欲がない」と、昼ご飯を食べなかった。また、いつも動き回っていた子が「気持ち悪い、だるい」と言って、屋外で遊ぼうとしない。
確実に薬の副作用だと思った。精神科医も、そのように判断したらしい。
では、薬に頼らない、改善方法はあるのだろうか。うつ病をわずらった人が、長年薬を飲んでいても、一向に改善せず、副作用に苦しんでいる人が多い。
同じようなことが、発達障がいの子どもたちに及ぶとしたら。そう思うと、胸が苦しくなる。保護者からすれば、良かれと思っての投薬だと思う。
あるカウンセリング講座で、家族療法の研究者が言った言葉が、脳裏に焼き付いている。
「うつ病は、薬では治らない。だから、カウンセラーを目指す人たちが、カウンセリングスキルと人間力で、改善するのが最善である」と。
同じことが、「発達障がい」の子どもたちにも、当てはまるのではないかと、思うようになった。
真のカウンセラーの道は、いばらの道かもしれない。カウンセラーだけでなく、苦しんでる子ども心を察知できる、大人の感度が試されている。でないと、子どもの心と身体は、崩れてしまうかもしれない。
子どもには、それぞれの心の情態を理解しようとする、大人の存在が必要だ。発達障がいであっても、なくてもだ。
シンガーソングライターの米津玄師さんは、20才で高機能自閉症と判断されたようだ。子ども時代は、ご本人も保護者も、大変だったと推測する。
大ヒットした「レモン」は、亡くなった祖父への鎮魂歌だった。子どもの頃の理解者が、お爺さまだったのかもしれない。
「飛燕」という曲の中の、一節を紹介する。
美しさを追い求め 友さえもののしれば
這い回る修羅の道 代わりに何を得たのだろう
いきり立つ声には 切なさが隠れてる
誰がその背中を 撫でてやろうとしただろ

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