映画ドラマが好き4

新型コロナウイルス感染症対策に関する、ドイツのメルケル首相の格調高いスピーチが、世界的に話題となった。また、新型コロナウィルスの抑え込みに成功した、ニュージーランドのアーダーン首相とデンマークのフレデリクセン首相も、世界各国からの評価が高い。メルケル首相はかなりご高齢だが、アーダーン首相とフレデリクセン首相は、40歳代の女性政治家である。様々な意見があるが、小池百合子東京都知事も頑張っていて、たのもしいと思う。

4回目は、頑張って生きている女性。社会の流れに翻弄されるが、自律して生きていこうとする女性を主人公にした映画を選んでみた。設定された年代は違うが、女性の生き方を描くと、必ず、家族や子どもの問題が出てくる。

フェニミズム的な見方だけではなく、苦悩しながらも一生懸命に生きている姿。それぞれの女性の精神力や家族関係に、注目してほしい。また、それぞれの映画の主人公が素晴らしい。各映画祭の主演女優賞を受賞したりノミネートされた、名女優たちの演技が輝いている。

🌸ファーゴ:1996年、アメリカ映画、ジョエル・コーエン監督(アマゾン、U-NEXTで鑑賞可)
時代は1980年代のアメリカ。実在の町「ファーゴ」でおこった殺人事件を、女性の警察署長が解決するお話し。ブラックジョーク満載で、でも、肝がすわった警察署長がすがすがしい。しかも、出産近し妊婦さんである。コーエン兄弟(監督、脚本)の映画ファンは多いはず。

🌸エリザベス:1998年、イギリス映画、シェカール・カプール監督(アマゾン、ネットフリックスで鑑賞可)
当時、インド出身の監督が、イギリスの歴史映画を撮ったことで話題になった。エリザベス一世の生き方、ヴァージンクィーンとしての統治力がすごい。また、女としての哀しさや苛立ちも描かれていて、絵画のように美しい映画だ。

🌸私の頭の中の消しゴム:2004年、韓国映画、イ・ジェハン監督(アマゾン、U-NEXTで鑑賞可)
最近、何年かぶりに見直したが、とても良い映画だと再認識した。純愛の物語だが、一人の女性が自分の病気=若年性アルツハイマー病に立ち向かう姿が胸を打つ。彼女の生き方が、つれ合いの生き方をも決定づけていく。その潔さが、素晴らしい映画だ。

🌸スタンド・アップ:2005年、アメリカ映画、ニキ・カーロ監督(アマゾン、U-NEXTで鑑賞可)
1988年、初めてアメリカで行われた、セクシャルハラスメント訴訟の実話。若きシングルマザーが男性たちにセクハラを受けても、女性たちは同情しながらも保身に走る。最後は当事者の父親を中心に、共に家族が立ち上がり勝訴した物語。アメリカでも、30年前はひどいセクハラがあったのだ!

🌸プラダを着た悪魔:2006年、アメリカ映画、デビッド・フランケル監督(U-NEXTで鑑賞可)
今ではプラダバックを持ったり、堂々とプラダを着たりする人々は少なくなった。この時代は、バブリー時代の終わりの頃。ファッションにうとい女性が、ファッション雑誌の編集長の秘書になる。その頑張りに、素直に共感した人は多いと思う。

🌸フラガール:2006年、日本映画、李相日(イ・サンイル)監督(アマゾン、U-NEXTで鑑賞可)
1965年、福島県いわき市の炭鉱村での再生村おこしの実話である。私の父は福島県出身なので、中学生の頃に元祖フラガールを見ている。田舎に、なぜハワイアンセンターがあるのか理解できなかった。この映画を見て、その歴史に感動。在日韓国・朝鮮人三世の李相日監督の感性にも、感動!

🌸母なる証明:2009年、韓国映画、ポン・ジュノ監督(アマゾン、U-NEXTで鑑賞可)
母なる存在の力強さや潔さを期待すると、肩透かしをくう。自分の子どもと自分を守るための母性。どのような情態でも、子どもの存在を否定せずに、抱え込む母性を描いている。人間の裏と表を描写していて、鋭い洞察力だ。ポン・ジュノ監督は「パラサイト」で、2020年のアメリカアカデミー賞の5冠を達成。素晴らしい快挙。素晴らしい監督である。

🌸告白:2010年、日本映画、中島哲也監督(アマゾン、ネットフリックス鑑賞可)
中学生が幼児を殺すお話し。殺された幼児の母は中学校教師だが、復讐のために自分の仕事をなげうつ。虐待や暴言、子どもの育成を放棄する母親の存在が、殺人を招いていく。その重みを、被害児童の母親が復讐することで、殺人犯に悟らせようとする。その感覚が痛々しく、暴力的だ。

🌸マーガレット・サッチャー:2011年、イギリス映画、フィリダ・ロイド監督(アマゾン、U-NEXT、ネットフリックス鑑賞可)
1979年「鉄の女」と言われた、イギリス初の女性首相が誕生した。メリル・ストリープが熱演していて、当時の政治状況や家族との関係性がよく分かる。特におつれ合いのサポートが、ユーモアがあって的確だったと思う。やはり、家族のバックアップアがなければ、女性の社会的成功は成立しないのか。と、思わせる作品。

🌸アリスのままで:2014年、アメリカ映画、リチャード・グラツァー監督(アマゾン、ネットフリックスで鑑賞可)
ここから3本のアメリカ映画を紹介する。2010年代になると、困難さを抱えた女性が必死に生きる映画が、作られる。この映画は、3人の子どもを育て上げた50歳の大学教授が、遺伝性アルツハイマー病になる。仕事ができなくなり、家族の支援を受けて生活するようになる。たんたんとしているが、当事者と家族の大変さが伝わる、とてもリアルな映画。

🌸キャロル:2015年、アメリカ映画、トッド・ヘインズ監督(アマゾン、U-NEXTで鑑賞可)
1950年代のニューヨークが舞台。結婚生活に疲れた女性と、彼女の美しさに惹かれる若い女性との恋愛物語。当時は同性愛は、秘密のまじわりだったのだろう。原作者の自伝的小説なのだが、映画化に11年を要した。とてもきれいな映画だが、当事者の苦悩が伝わってくる。

🌸タリーと私の秘密の時間:2018年、アメリカ映画、ジェイソン・ライトマン監督(アマゾンで鑑賞可)
仕事、育児、家事に頑張る主人公が、3人目を出産後に心が疲れ切ってしまう。夜だけのベビーシッターを雇うが、子どもだけでなく、主人公=母親の心も癒してくれた。あることをきっかけに、父親が子育てに積極的になる。そしてまた、前向きに生きる気力を得るという、子育てのリアルさが表現されている。でも、なぜかほっとできて、穏やかになれる作品。